神戸大学の後期日程まとめ|実施学部・科目・ボーダー・足切り

こんにちは、神大研公式ブログ部の佐々原です。

神戸大学の後期日程は、前期で不合格だった受験生にとって最後のチャンスであり、同時に最も情報が少ない入試でもあります。

「後期って結局どの学部で受けられるの?」「倍率10倍って本当?」「足切りされるって聞いたけど?」——この3つがよく聞かれる質問です。

結論から言うと、神戸大学の後期日程は9学部で実施され、志願倍率は10.4倍、実質倍率は3.5倍

そして後期は前期と違い、ほぼ全学部で二段階選抜(足切り)が実際に発動しています。合格者の共通テスト得点率は78.7%〜87.7%と、前期よりはるかに高い水準です。

この記事では、講師が全員神戸大学合格者である神大研の視点から、2026年度(令和8年度)の大学公式データをもとに、後期日程の実施学部・科目・合格最低点・倍率・足切りの実態と対策を徹底解説します。

この記事でわかること

  1. 神戸大学の後期日程を実施している学部と、実施していない学部
  2. 学部別の二次科目・配点・満点(小論文だけの学部はどこか)
  3. 2026年度の学部別合格最低点と、合格者の共テ得点率(公式データ)
  4. 「志願倍率10.4倍」の正体と、本当の実質倍率
  5. 後期の足切り(二段階選抜)はどの学部で実際に発動したか
  6. 後期に向いている人と、共テ後からの対策の進め方

後期日程の基本

まず日程と全体像を確認します。

項目 内容(令和9年度=2027年度入試)
試験日 3月12日(金)
合格発表 3月23日(火)
実施学部 文・国際人間科学・法・理・医(保健学科の一部)・工・システム情報・農・海洋政策科学の9学部
後期なしの学部 経済学部・経営学部・医学部医学科・医学部医療創成工学科

参照元:入試日程(令和9年度入試)|神戸大学受験生ナビ

六甲台の看板学部である経済学部・経営学部に後期はありません。文系で後期を狙えるのは文学部・国際人間科学部・法学部の3つだけです。

経済学部志望の人は前期一本になるため、併願設計が特に重要になります(詳しくは経済学部の入試対策記事を参照してください)。

後期日程の3つの特徴

  1. 共通テストの比重が非常に高い。二次が小論文だけの学部もあり、共テの出来がほぼ勝負を決めます
  2. 二次科目が少ない。多くの理系学部は数学1科目のみ。文系は小論文中心です
  3. 足切り(二段階選抜)が実際に発動する。予告倍率10倍で、前期とは事情がまったく違います

実施学部と科目

後期日程は学部ごとに二次科目がまったく異なります。自分の得意分野で選べるのが後期の面白いところです。

文系学部の後期

学部・学科 二次試験の科目 共テ配点 二次配点 満点
文学部 英語200・小論文200 400点 400点 800点
法学部 小論文250のみ 500点 250点 750点
国際人間科学部 グローバル文化学科 個別学力検査 400点 400点 800点
国際人間科学部 子ども教育学科 個別学力検査 425点 225点 650点

理系学部の後期

学部・学科 二次試験の科目 共テ配点 二次配点 満点
理学部 物理学科 小論文(物理の論述) 555点 550点 1105点
理学部 化学科・惑星学科 英語100・数学150 500点前後 250点 750点前後
理学部 生物学科 英語100・数学100 450点 200点 650点
工学部 建築学科 数学250のみ 750点 250点 1000点
工学部 市民・電気電子・機械・応用化学 数学300のみ 700点 300点 1000点
システム情報学部 数学400のみ 600点 400点 1000点
医学部保健学科 検査技術科学専攻 個別学力検査 420点 200点 620点
海洋政策科学部 理系科目重視型 個別学力検査 650点 400点 1050点

※配点・満点は2026年度(令和8年度)実施分の大学公式データに基づきます。募集人員・科目は年度により変更されることがあるため、最新は必ず学生募集要項で確認してください。

農学部の後期は各コース若干名の募集です。

参照元:令和8年度 入学試験(合格者)成績結果(神戸大学 公式PDF)神戸大学 入試科目(河合塾Kei-Net)

この表から読み取れる最大のポイントは、工学部・システム情報学部の後期は二次が数学1科目だけだということです。共テ比率は工学部で70〜75%、システム情報学部で60%。

共テが取れていて数学が得意な理系にとって、後期は極めて相性のよい入試になります。逆に法学部後期は二次が小論文250点のみで、共テ比率67%の「共テ勝負」です。

合格最低点と難易度

ここからが本題です。2026年度(令和8年度)の大学公式データで、後期の合格ラインを確認します。

学部・学科 満点 合格最低点 得点率 合格者の共テ平均
文学部 800点 588.4点 73.6% 87.7%
国際人間 グローバル文化 800点 552.1点 69.0% 82.9%
国際人間 子ども教育 650点 466.9点 71.8% 80.7%
法学部 750点 597.3点 79.6% 85.0%
理学部 物理学科 1105点 870.7点 78.8% 86.9%
医学部保健 検査技術科学 620点 445.1点 71.8% 79.3%
工学部 建築学科 1000点 735.8点 73.6% 84.4%
工学部 市民工学科 1000点 739.8点 74.0% 83.1%
工学部 電気電子工学科 1000点 762.0点 76.2% 84.4%
工学部 機械工学科 1000点 737.4点 73.7% 84.2%
工学部 応用化学科 1000点 725.6点 72.6% 82.9%
システム情報学部 1000点 757.8点 75.8% 85.2%
海洋政策科学部 理系 1050点 697.7点 66.4% 78.7%

※合格者が10名以下の学科は大学が非公表としているため、上表から除いています(理学部の一部・農学部・国際人間科学部の一部など)。

参照元:令和8年度 入学試験(合格者)成績結果(神戸大学 公式PDF)

このデータが示す事実は明快です。

  1. 後期合格者の共テ得点率は78.7〜87.7%。前期の合格者平均(学部により78〜85%程度)より明確に高く、京大・阪大からの「下げ組」が流入していることが数字に表れています
  2. 文学部後期の共テ平均87.7%は神大最高水準。二次で英語・小論文が課されるにもかかわらず、共テで9割近い層が集まります
  3. 最も狙いやすいのは海洋政策科学部(共テ78.7%)。後期の中では突出して共テのハードルが低くなっています

「後期=共通テストで8割5分前後」が神戸大学の現実的な目安です。共テが7割台前半なら、後期での神大は極めて厳しいと判断してください。

倍率のリアル

後期の倍率は「10倍」と語られがちですが、これは正確ではありません。2026年度の公式データを見てください。

日程 募集人員 志願者数 受験者数 合格者数 志願倍率 実質倍率
前期日程 1,915名 5,899名 5,658名 2,053名 3.1倍 2.8倍
後期日程 408名 4,235名 1,726名 493名 10.4倍 3.5倍

参照元:令和8年度 神戸大学入学試験状況(神戸大学 公式PDF)

4,235人が出願して、受験したのは1,726人

後期の志願倍率10.4倍という数字だけを見ると絶望的に思えますが、実際に試験会場に来たのは志願者の40.8%だけです。

理由は明快で、前期で合格した受験生と、私立大学に進学を決めた受験生が受けに来ないからです。

つまり実質倍率は3.5倍。前期の2.8倍と比べて確かに厳しいものの、「10倍の壁」ではありません。

さらに合格493名に対し入学は391名で、後期でも約100名が辞退していることが分かります。追加合格の可能性も含め、最後まで諦める理由はありません。

ただし受験者の質は前期より高い

注意すべきは倍率よりも母集団です。後期を受けに来る1,726名は「前期で神大や旧帝大に落ちた層」が中心で、共テ8割超えがゴロゴロいます。前期と同じ感覚で臨むと確実に競り負けます。

足切りの実態

後期でもう一つ絶対に押さえるべきなのが二段階選抜、いわゆる足切りです。

日程 予告倍率 実際の発動状況(2026年度)
前期日程 4.5倍(医学科3倍・医療創成工学科5倍・保健6倍・海洋5倍) ほぼ全学部で実施せず
後期日程 10倍 文・法・理・工・システム情報・農・海洋・医(保健)・国際人間で実施

参照元:神戸大学 2段階選抜実施状況(河合塾Kei-Net)

前期の足切りは予告こそ出るものの、実際にはほぼ発動しません。ところが後期は志願者が募集人員の10倍を超えるのが常態化しているため、ほとんどの学部で実際に足切りが行われます

先ほどの数字を思い出してください。後期は募集408名に対して志願4,235名=10.4倍。

この時点で予告倍率10倍を超えています。後期は「出願すれば受験できる」入試ではありません

共テリサーチでボーダーから大きく離れている場合、二次試験を受ける前に切られる可能性を織り込む必要があります。

後期に向いている人

ここまでのデータから、後期日程が有利に働くタイプをまとめます。

タイプ 後期との相性 理由
共テ85%以上で前期が不安 非常に良い 後期は共テ比率が60〜75%。共テの貯金がそのまま効く
理系で数学が武器 非常に良い 工学部・システム情報学部は二次が数学1科目のみ
文章を書くのが得意 良い 法学部後期は小論文250点のみ。対策している受験生が少なく差がつく
共テ75%以下 厳しい 足切りのリスクが高く、突破しても最低点に届きにくい
経済・経営学部が第一志望 選択肢なし 両学部に後期はない。他学部か他大学の後期を検討する

後期対策の勉強法

後期対策の最大の誤解は「前期が終わってから始める」というものです。前期試験から後期試験までは2週間しかありません。しかも前期の手応えが悪いほど精神的に動けなくなります。

小論文対策(文・法学部志望)

法学部後期は二次が小論文250点のみ。ここで差がつきます。

  1. 共テ後すぐに過去問を1年分解く。時間を計り、字数制限まで書き切る感覚を掴みます
  2. 型を固定する。「課題文の要約→論点の提示→自分の立場→根拠2つ→反論への応答→結論」の型を作り、毎回同じ順で書きます
  3. 必ず添削を受ける。小論文は自己採点が最も機能しない科目です。論理の飛躍や設問への答え漏れは、他人でないと見つけられません

週2本のペースで書き、前期直前は一旦止めて、前期翌日から再開するのが現実的です。

数学対策(工学部・システム情報学部志望)

二次が数学1科目のため、前期の数学対策がそのまま後期対策になります。特別な追加対策はほぼ不要で、前期に向けて積み上げた過去問演習を継続してください。

参考書は前期と同じで問題ありません。青チャート(高1・高2から)または黄チャート(高3から)でインプットし、神大の過去問でアウトプットする。

1科目勝負だからこそ、1問の取りこぼしが致命傷になります。計算ミスを潰す訓練と、部分点を確実に拾う答案の書き方を徹底してください。

共通テスト対策こそが後期対策

後期を視野に入れるなら、最優先は共通テストです。後期合格者の共テ平均は8割台後半。共テで1%上げることは、後期の二次で10〜20点分の価値があります

理科基礎・社会・情報Ⅰといった「共テでしか使わない科目」を秋以降に確実に仕上げること。これが前期・後期の両方に効く、最も投資対効果の高い戦略です。

受験戦略と勉強計画

後期まで見据えた年間の組み立てはこうなります。

時期 やること
〜高3夏 前期対策に集中。後期は意識しなくてよい
高3秋 共テ対策を本格化。後期の出願先候補を2〜3つ決めておく
11〜12月 共テ演習。理科基礎・社会・情報Ⅰを仕上げる
共テ後〜1月末 自己採点で後期の出願先を確定。小論文志望なら週2本の添削を開始
2月(前期直前) 前期対策に全振り。後期は一旦止める
前期翌日〜3/12 後期対策を再開。小論文の型の再確認、数学は過去問を毎日1年分

ここで効いてくるのが、受験生の自習時間は年間およそ1,500時間という現実です。

後期まで戦い抜く受験生は、この1,500時間を「共テ→前期→後期」の順に無駄なく配分できた人です。

逆に、共テ対策を後回しにした受験生は、後期の土俵に上がることすらできません。

そして最も重要なのは、後期の準備を「前期に落ちた前提」で秋のうちに済ませておくこと。前期の合否が出てから動き出しても、2週間では間に合いません。

FAQ(よくある質問)

Q1. 神戸大学の後期日程はどの学部で受けられますか?

文学部・国際人間科学部・法学部・理学部・医学部(保健学科の一部専攻)・工学部・システム情報学部・農学部・海洋政策科学部の9学部です。

経済学部・経営学部・医学部医学科・医学部医療創成工学科には後期日程がありません。

Q2. 後期の倍率は10倍って本当ですか?

志願倍率は10.4倍ですが、実質倍率は3.5倍です(2026年度・募集408名/志願4,235名/受験1,726名/合格493名)。

前期合格者や私大進学者が受験しないため、志願者の約6割が欠席します。ただし受験しに来る層のレベルは前期より高い点に注意してください。

Q3. 後期は共通テストで何割必要ですか?

2026年度の後期合格者の共テ得点率は78.7%〜87.7%でした。最も低い海洋政策科学部で78.7%、最も高い文学部で87.7%です。

目安は85%前後、共テ75%以下では足切りのリスクも含めてかなり厳しくなります。

Q4. 後期で足切り(二段階選抜)はありますか?

あります。後期の予告倍率は10倍で、2026年度は文・法・理・工・システム情報・農・海洋政策科学・医(保健)・国際人間科学の各学部で実際に実施されました。

前期はほぼ実施されないため、後期特有のリスクとして必ず織り込んでください。

Q5. 後期の対策はいつから始めるべきですか?

出願先の決定は高3秋、小論文の対策開始は共通テスト後すぐです。前期試験から後期試験までは2週間しかなく、前期の結果を見てから動き出すのでは間に合いません。

工学部・システム情報学部志望なら二次は数学1科目なので、前期対策がそのまま後期対策になります。

Q6. 後期は小論文だけの学部がありますか?

法学部後期が該当します。共通テスト500点+小論文250点=750点満点で、二次は小論文のみです。

対策している受験生が少ないため、型を固めて添削を重ねた人は差をつけられます。文学部後期は英語200点+小論文200点の構成です。

Q7. 後期に受かった人はどんなタイプですか?

共通テストで8割5分前後を確保し、二次で課される1科目(数学または小論文)に的を絞れた受験生です。

特に工学部・システム情報学部は二次が数学のみなので、共テの貯金がある理系数学得意層が有利です。逆に共テが伸びなかった場合、後期での逆転はデータ上かなり難しくなります。

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まとめ

項目 内容(2026年度実績)
実施学部 9学部(経済・経営・医学科・医療創成工学科はなし)
試験日/発表 3月12日/3月23日(令和9年度)
募集人員 408名
志願倍率/実質倍率 10.4倍/3.5倍
合格者の共テ得点率 78.7〜87.7%
二次科目 工学部・システム情報=数学のみ/法学部=小論文のみ
足切り 予告10倍・ほぼ全学部で実施
最も共テのハードルが低い 海洋政策科学部 理系科目重視型(78.7%)

参照元:神戸大学 入試結果(公式)

後期日程は「前期のおまけ」ではなく、共通テストの得点力と二次1科目の完成度で決まる独立した入試です。共テ85%を作れれば、後期は前期以上に計算の立つ戦いになります。

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